2012年10月13日土曜日


当ブログをご覧の皆様、こんにちは。2013年模擬国連会議全米大会第30代日本代表団派遣事業運営局において、会計・渉外補佐を務めております、田伏宏基と申します。

 本日は、1人の運営局員として、また昨年度の団員選考プロセス参加者として、「選考プロセスの思い出」についてお話させていただきます。

 昨年度の今頃を振り返ると、選考プロセスを非常に楽しんでいたことを思い出します。そもそも私が29代全米団員の選考プロセスへの応募を決意した動機の1つは、「合否の結果に関わらず、この選考のプロセスから何かを得られる」と確信したためでした。

 昨年度の選考会議の議題は“Unilateral economic measures as a means of political and economic coercion against developing countries”で、選考会議までの準備は決して簡単なものではありませんでした。いつものように日本語の文献を探して調べてみても、議題に関する断片的な知識や、政治学的視点に限られた考察しか得ることができませんでした。そのため、私は普段なかなか踏み入れない図書館の洋書用書架に赴きました。そこで、経済学的理論に照らして経済制裁を計量的に分析する書などを見つけ、心が躍ったのを覚えています。
 それでも、調べれば調べるほど分からないことやさらに調べるべきことが見つかり、何度もつまずきそうになりました。そんなときにも、選考プロセスを楽しむことができたのは、「こんなにも深く調べ、考えたことは今までなかった」という自信や満足感があったからでした。
 そして迎えた選考会議当日、張りつめた緊張感の中でも、私は「いつも通り模擬国連会議を楽しもう」と思っていました。いざ、会議が始まると、思うように自分の主張が伝わらなかったり、自分の主張に具体性や論理性が足りないことなどを、議論を通して痛感したりしました。対立が埋まらずに焦ったり、他の参加者の予想外の行動に圧倒されたりと、楽しむことさえだんだん忘れていきました。トイレの鏡で自分の顔を見てそのことに気づいたとき、私は「このプロセスから何かを得よう」という気持ちを思い出しました。その後は、会議が終わるまで、自分の主張が受け入れられたときも、自分の弱点を見つけたときも、楽しむことを心がけました。

 会議を終えて他の参加者と健闘をたたえ合っているとき、私は「どのような結果であっても受け入れることができる」、そのような気持ちでした。選考プロセスを通して得た自信や、見つめ直した弱点は、たとえ私が合格していなかったとしても変わらず得ていたことだろうと今でも思います。

 合格したからこそ得たものも、もちろんあります。それは日本代表としての自覚や全米団員としての充実した日々でした。今年度の選考プロセスに参加されているみなさんも、最後まで選考プロセスに取り組むことで、それぞれの糧になるものを、そして30代全米団員としての日々を、獲得していただきたいと思います。健闘を祈ります。

 最後となりましたが、当事業をご理解・ご支援くださっているみなさまのご協力のもと、今年度の選考プロセスが進行しておりますことに感謝申し上げます。選考プロセス参加者の周囲の皆様におかれましては、最後まで参加者を激励し、見守っていただければ幸いです。

 今後とも当ブログをよろしくお願いします。

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